キャッチボール
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原高校は、A市にある共学の公立高校で、隣接する真弓高校とは犬猿の仲であった。その中でも、野球部は40年以上、互いに引けを取らないでいる。
何故、このようなことになってしまったのか。それは、両校長に問題があった。2人は、兄弟である。兄弟喧嘩が、ずるずると40年以上も続いたのであった。
教師はおろか生徒も、両校長には、ほとほと手を焼いていた。解決策は一切なかった。そんな中、「伝統の一戦」と言われる両高校の春の選抜予選の日が、1週間に迫った。くじ運悪く、両高校は、初戦で試合することになった。
「明ァ!! この試合で勝つのは、ワシら原高校じゃ」
それに応じたのは、弟の明である。受話器越しに、兄のやかましい声に、迷惑していたが、一息つくと、それを上回る怒号が、古びた校舎に飛び交った。
「