デュラハン
 溢れ出した血は、目へと入り刺す様な痛みと共に視界を奪って行く。

 「イギャーーーッ」
 〈ガルルルルルッ〉

 もう一匹が、腕の肉を喰らい尽くしたのか、残された上椀部にまた烈しく喰らい付き引き回して来る。

 目の中に流れ込む血のせいで殆ど見えないが、ズルズルと肉が引き裂かれ引きちぎられて行くのが解る。

 体中に走る激烈な痛みのせいで、もはや肉を裂かれちぎられても、脳が処理出来ず個々の場所への痛みは感じない。

 伝わって来るのは血肉を貪られる感触と体中が痛いと言う感触だけと為っていた。

 「ウギャーーーーッ」

 勝は裂かれた肉片がブラブラとぶら下がる腕を肩口からバタバタとばたつかせもがき苦しんでいる。
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