デュラハン
 10人で円陣を組み慎重に森の中を歩いて行く。

 何時何処からアルテミスやデュラハンが襲って来るとも知れない恐怖と不安が押し寄せて来る。

 鳥達が羽ばたき草木を揺らす音でさえ、心臓が飛び出しそうな程ドキリとする。

 クチャックチャッカサッ……

 落ち葉の敷き詰まった湿った地を踏み締め、緊張と恐怖感に多量の汗を流し、剣を眼前に構え辺りを警戒しながら歩く。

 ガサガサガサッ……
 ドドドドドドッ…………

 その時、何かが凄い勢いでこちらに迫って来た。

 「ひっ……ひぃ……」
 「な……なんだ!?」

 それは勤の方へ突っ込んで行った。

 勤わ慌ててかわしたが、バランスを崩してベチャリと後へ倒れ込んだ。
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