デュラハン
迷い……
 見分ける方法……考えても考えても一向に浮かんで来る事は無く、光達は沈黙の中ただただ森の中を歩いていた。

 日は高く昇り、先程12時を告げる鐘が鳴り響いた所だ。

 真也達は取り敢えず渇いた喉を潤す事にし、川辺へと向かっていた。

 そして、川まであと少しと言う所で尚美が声を掛けて来た。

 「皆、待って……しっ……」

 そう言って口元に人差し指を当て注意を促し、川の方へとその指を向けて囁く。

 「見て、あそこに……」

 皆がその先を見ると、そこにはデュラハンの姿が有った。

 「本物なのか?」
 「解らない……」
 「暫く様子を見よう」

 皆はそう言いながら陰からそっとデュラハンの様子を窺う。
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