デュラハン
 半身と為った舞の身体は、デュラハンの呪いの為か死ぬ事はなく、カタカタ……ビクン……ビクン…と活動を続けている。

 アルテミスの乗る白馬は、舞の鮮血で前脚部から頭部までを赤黒く染め、両断された舞の前で嘶き、白い息を月明かりの元にモワリと浮かばせる。

 そして、白馬の蹄が舞の頭部を襲い踏み潰す……。

 メリメリメリッ……ゴシャッ……

 舞の頭部はグシャリと潰れ、割れ潰れた頭部から脳が勢いよく飛び出し辺りにベチャベチャと落ちて行く。

 「畜生……畜生……」
 「よくも舞をーーーーっ」

 そして、光一達は泣き喚きながらアルテミスに切り掛かって行く。

 ガキーーン……ガシャン………

 薄暗い森の中に金属音が止む事なく響き渡る。
< 164 / 271 >

この作品をシェア

pagetop