デュラハン
 尚美達は、早朝から既にデュラハンを探し森を歩き廻っていた。

 「いったい奴は何処に……」

 真也がそう呟く。

 その時、尚美は別の事を考えていた……。

 (デュラハンは最近滅多に現れない……無理に闘わず隠れて逃げ切った方が………)

 光一も独り考えていた。

 (後4日……闘うべきか逃げるべきか………)

 それぞれが物思いに耽りながら歩いている中、前を行く真也が苛立ちから手に持っていた棒切れを畜生っ……と言いながら前方へ投げ捨てた時に突然それは起こった………。

 ……ガサガサガサッ…………
 ドガーーーーーーン………

 もの凄い音と共に、鋭く尖った杭の並べられた罠が、前方の木に突き刺さったのだ。
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