デュラハン
 左手に黄金の大斧を持ち、右手で緑のマントを掴み全体を隠す様に腕を持ち上げ身を覆っている。

 そして、ゆっくりとその右手が降ろされて行く。

 ……なにっ!!…………

 光一達は、驚きを隠せなかった……あのデュラハンに首が………首が付いているのだ……。

 ギラギラとした輝く眼光がこちらを見据え、牙を剥いた様な恐ろしい口元からはモワリと邪悪なる靄が流れ出している。

 〈コォォォォォォッ………〉

 デュラハンの口元からそう小さく息遣いが聞こえて来る。

 そして、デュラハンの右手が暗緑色の光を放ち、黒馬を包み込む……。
< 204 / 271 >

この作品をシェア

pagetop