デュラハン
 暗緑色の光に包まれた黒馬は耳をつんざく様な嘶きを上げる。

 〈ヒヒヒヒヒヒヒヒーーーーン〉

 それと同時に、黒馬の首がグチュグチュ音を出し、首を失い剥き出しと成っている筋肉が動き出した。

 紅黒いドロドロの鮮血を流しながら筋肉が盛り上がって行く。

 そして、その盛り上がった筋肉の中から悍ましい馬の顔がズルリと現れた。

 デュラハンからは、焼け付く様な灼熱の闘気が流れだし、黒馬からは、凍り付く様な冷たい闘気が流れ出している。

 両極端な闘気の流れが混じり合い、何とも言い様の無い不気味さを漂わせている。
< 205 / 271 >

この作品をシェア

pagetop