デュラハン
 光一は弓と矢を拾い上げて背中に背負い真也の骸に手を合わせる。

 「すまない」

 「そして、ありがとう」

 光一はそう言ってその場を後にする。

 そして、間もなくデュラハンとの最後の駆け引きが始まった。

 現れては消え、現れては消えしながら光一に攻撃して来るデュラハン。

 眠る事も気を抜く事も出来ず精神的に追い込まれ、光一は時折発狂したかの様に叫び声を上げる。

 「わあああああああっ!!」

 〈ヌハハハハハハハハハッ〉

 それに応えるかの様にデュラハンも笑い声を上げ光一の様子を窺う。
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