デュラハン
 両者共切られた腹を押さえながら更に間合いを取り、相手の様子を窺う。

 そしてデュラハンはゆっくりと後ろへ下がって行き、不敵な笑みを浮かべ闇へと消えて行った。

 取り敢えずは助かった。

 ホッとしてその場にガクリと膝を着く光一。

 腹からはまだ血が流れ出している。

 砕けた防具を脱ぎ捨て服をめくる。

 どうやら傷はそこまで深くはない様だ。

 しかし、このままではいけない。

 光一は何時の日かテレビで観たそれを思い出していた。
< 243 / 271 >

この作品をシェア

pagetop