デュラハン
 睨み合いを続ける光一とデュラハン。

 そして、太陽が頂点に達した頃それは起こった。

 デュラハンの攻撃を剣で受け流しなから懐に飛び込む。

そして口で素早く左腕を覆う布を取り去る。

 その瞬間、光一の左腕が落ち矢がギラリと光る。

 ニヤリと笑いそれをデュラハンの脇腹に突き立てる光一。

 〈グヌッ……〉

 その奇襲に反応が遅れたデュラハンは呻き声を上げ後へよろよろと下がる。

 デュラハンの右脇腹から吹き出す赤い靄。

 してやったり。

 そう、光一はあの時自らの腕を切り落としその腕に矢を仕込んでいたのだ。

 切り落とした腕を固定し布を巻き付けカムフラージュして。
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