デュラハン

　デュラハンは、死んだ様に立ち尽くす竜二に近付き、生きた屍とも言える竜二の襟元を掴みズルズルと引きずりながら、森林奥へと消えて行った。

　そして、時が過ぎ薄暗い闇が辺りを覆い隠して行き、時が19の刻を告げる頃、竜二は時計塔の厨房で鮮血に染まり横たわっていた。

　体中に突き刺さっていた矢は全て取り除かれ、その傷口からはとめどなく鮮血が流れだし、竜二の横たわるテーブルを鮮血で赤く汚し満たして行く。

　ﾋﾟﾁｬーーﾝ…ﾋﾟﾁｬーーーﾝ……

　そして、そのテーブルから溢れ出した鮮血がピチャピチャと床へ滴を垂らし、床までもが赤い鮮血の溜まりと、筋を作り上げて行く。

　カツンカツンカツン………

　そして、テーブルに横たわる竜二にデュラハンが徐々に歩み寄る。