デュラハン
 遂には頬の肉もえぐれ、歯や歯茎が剥き出しに為り左顔面を赤く染め上げて行く。

 「ギャーーーーーーッ」
 〈ガルルルルルッ……〉

 悲鳴を上げる勝に容赦無く喰らい付き肉を引き裂いて行く野犬達。

 勝は、殆ど骨と化した腕を振り回し必死に抵抗するが、筋肉を失った腕はただグニャグニャと動くだけで何の効果も果たさない。

 そして野犬の次の一噛みで勝の腕は肘からむしれて取れた。

 ブチブチッ…ゴリッ……

 「アギャーーーーッ」

 一匹は、そのちぎれた腕に旨そうに喰らい付いており、もう一匹は勝の顔面に喰らいつく。

 「ひぃーーーーっ」

 …グチュッ…グチャッ……

 鼻がむしれて取れ、裂傷痕が額に向けて走り鮮血がダクダクと流れ出す。
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