人間解体
 斉藤は、大きな箱を取り出しニマニマと笑いながらそれを見詰めて居る。

 〈内山くん……警告を破った報い……じっくりと味わうが良いよ…………〉

 〈クククッ……フハハハハッ……〉

 そして、斉藤は屋敷を後にしまだ夜も明けぬ暗い森へと消えて行った。

 内山は、この時はまだ最悪の悲劇が起きる事を知る由も無かった。

 この時、内山の娘である内山香苗は一人住宅街を歩いて居た。

 〈すっかり遅く成っちゃったな……〉

 〈早く帰んなきゃ……〉
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