人間解体

　数コール鳴った後男が電話に出た。

　〈内山さんかい……ｸｸｸｯ〉

　男はそう言いながら小さく笑っている。

　「斉藤か……斉藤だな……」

　〈あぁ……そうさ……ｸｸｸｯ〉

　「何が目的なんだ斉藤……」

　そう問う内山に斉藤は笑いながら答える。

　〈ｸｸｸｯ……手紙にも書いた通り邪魔をしないで欲しい……あんたの為にもね……ｸｸｸｯ……〉

　「どう言う意味だ斉藤……」

　内山がそう返した時にはもう電話は切られており、ツーーーーッと言う音だけが虚しく流れていた。