吸血鬼は恋をした。
「あの、ディオさん。ディオさんはこれからどうするんですか?…吸血鬼さんですよね?」

余計な一言だったのか、気に触ったのか

『吸血鬼』

ディオはこの単語を耳にした途端…身体震わせ、マリを軽く睨みつける。

が、自分を敵とする意味ではない事に気付き、少し警戒を解いた。

「…どうするかはまだ決まっていない。途中、トラブルがあったものだからな」

「そうですか…此処にまだいますか?今、家族居ないんで」

軽く言葉吐くものの、何処か信頼感のある彼女の…マリのその雰囲気に魅入られたのか、ディオは

「そうしてくれると有難い」

と、精一杯絞りきったような声を出した。

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