bad☆princess
「こんなのってどんなの?」
美希が聞いた。
「これ・・・ってえ?」
結城が黒板を見た。
黒板は見事に全部消されてる。
・・・。
美希・・・
あなた、私が思ってた以上にすごいな・・・。
絶対、スパイに向いてるって。
そう心の中で突っ込んでおいた。
「黒板に何が書いてあったの?」
美希が言った。
「悪口が書いてあるって噂で・・・
隣の教室も書いてあったから・・・。」
結城が少し目線をずらしていった。
嘘ついてます。って言ってるも同然じゃん。
「あんたさぁ、随分と朝早いんだね。
もっと早く姫を助けてあげれたんじゃない?」
美希が言った。
「は?意味わかんねー。」
結城が言った。
「私、今日6時ちょっとすぎに学校来て、全クラスでここ以外消しておいたんだけどなぁ・・・」
その言葉で結城は黙ってしまった。
さすが美希☆
美希は話し続けた。
「あんた、姫が振り向いてくれないからってさ。やり方が汚いんじゃない?
黒板に姫の悪口書いて、姫が責められてるところを助けて姫を振り向かせようとしたんでしょ?」
「うわー。結城くん最悪じゃーん」
教室からそんな声が飛んでくる。
「証拠があるわけ?」
結城が聞いた。
「うん♪今日は朝早く来てて偶然見ちゃったから♪
黒板に書いてるところ携帯で撮っちゃった♪」
「――・・・。」
結城は言い返せなくなったのか下を向いちゃってる。