隣人の狂気
壁の『所定の位置』にお父さんのスーツが掛かっていた。帰ってきて着替えたらしい。

「あれっ?お父さんのスーツがある。お父ーさーん!いーるのー!」

狭い家にワタシの声が響いたけど、聞こえてくるのは雨音ばかりだ。

返事がなかったのでトイレや布団を敷く部屋とかを回ったけど気配なし。

「あれー?やっぱりいないなー。てゆーか平日の昼間になんで帰ってるの?」

今朝学校に行く前に何かお父さんから言われたか思い出そうとしても、特に心当たりがない。

ホントどうしたんだろ。
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