隣人の狂気
血だまりギリギリにしゃがみこんで手を振りながら声をかけてみる。

「ヤッホー叔父さん聞こえてる?聞こえてたらまばたきしてみて」

かけたセリフが終わるか終わらないかのウチに、ゆっくりめのまばたきを2回返してきた。

(やっぱりまだ生きている)

目をあげてまだまだ血だまりが広がっていくのを眺めて思う。

(そしてもう直ぐ死ぬ)

「ごめんね叔父さん。知らなかったと思うけどワタシは昔から恩人でも躊躇なく突き落とせて後悔もしない悪いコなの」

首を傾けて微笑んでみせる。


「驚いた?」

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