隣人の狂気
『瞼の母』と言う言葉があるけど、ワタシには瞼の叔父さんがいる。

目を閉じたら思い浮かぶ叔父さんは…

暗がりの中、広がりゆく血溜まりでワタシをガン見している。

あの時叔父さんの視線を浴びながら舐めた血の味が忘れられない。

真夏の日差しに焼けた鉄棒みたいな熱いサビの味。

液体なのにねっとりとまとわりつくような濃厚な喉ごし。

またアレを味わえないだろうか…

ああ、どこかにフレッシュな死体でも落ちてないかなっ?
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