隣人の狂気
お父さんに連れられて何度か通った林の中の道を下って行くと、はたしてほぼ記憶のままの景色が広がった。

記憶にはない異物が一つ。

舗装されてない駐車場にワンボックスカーが一台停めてある。

うーん。

下見で誰かの記憶に残りたくないから人と関わりたくなかったのにな。

どんな人が何人ぐらいいるのかな。

大勢の人に関わって記憶に残ってしまったら、その場所で何か事件が起こった時ワタシに関連づけて考える人が出るかも知れない。

場合によってはこの場所はボツね。

色々な事態を想定しながら車を降りると潮風がワタシを迎えてくれた。
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