隣人の狂気
「ひぃゃああぁあぁ~!」

世にも情けない悲鳴をあげながら彼は尻餅をついた。

「だめだ。出ちまう。溢れちまうよ。だめだって!」

見ると傷口が広すぎて両手でも押さえきれずに内臓がこぼれ出している。

ピンクや赤に血が絡まってとってもキレイだ。

「なんだよ。なんでだよ。どうしてこんな事するんだよぅ」

とうとうボロボロ泣き始めてしまった。

彼は完全に戦意喪失してしまったようで反撃も逃走も頭に浮かばないらしい。

まあ戦意は最初からなかったか。

ヤル気にはなってたみたいだけど。

「なんでって?タックンがいけないんだよ?

お父さんの事をワタシに教えちゃうからじゃない」

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