隣人の狂気
テトラポットに腰掛けてタバコをふかしながら1時間待った。

その間、俺の他に動く物は波と風に吹かれて揺れる木々だけだった。

緊張感とタバコの吸い過ぎで気持ち悪くなり始めた時、ワゴン車が1台駐車場に入って来た。

更に緊張し鼓動が速まるのを、何だか人事のように感じていた。

またタバコに火をつけながら『何げなくぼんやりと』を装っているつもりでワゴン車を観察する。

多分一人だ…

とうとうこの時がきた…

だけど…



足が竦んでしまって立ち上がれない…

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