隣人の狂気
彼の事を殺す為に殺すのは俺が自分で決めた事だ。

だが俺に弱者をなぶる趣味はない。

それに今の所ここには誰もこないが、いつ誰が来るとも限らない。

急いで終わらせてこの場を去るべきだと思った。

這って車へ向かう彼にやすやすと追いついて、動きを封じる為に腰の上を踏みつける。

そのまま彼の後頭部を覗き込むように顔を近づけて声をかける。

「そろそろお別れです、何か言い遺す事はありますか?」

声をかけながら気がついた。

いつの間にか雨が降り始めている…

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