隣人の狂気
一つは恐れ。

もうすぐにでも誰か来るんじゃないかという思いが強くあり、一刻も早くあの場を立ち去りたかった。

もう一つは打算。

図らずもかなり乱暴な殺害方法をとってしまったが、これは利用出来るんじゃないか?

殺し方が残酷で金目当てではない。

となれば警察が捜査する時、顔見知りによる怨恨の線を重点に捜査するんじゃなかろうか。

そんな目論見もあって手をださず、雨から逃れるように車に乗り込んだ。

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