隣人の狂気
『俺は人一人を殺めた事がある』

比喩的な意味じゃなくそのままの意味で。

事故でも過失でもなく明確な殺意をもって。

一人の人間の命を奪い人生を終わらせた。

そしてその事は発覚しないまま今日に至る。

つまり俺は人殺しにもかかわらず、手配される事もないまま『普通』に毎日を過ごしている訳だ。

これが俺の一番普通でない部分で一番の秘密だ。
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