隣人の狂気
駐車した車の中で振り返って人混みの中の彼を探した。

見つけた時ビックリした。

彼は建物に身を寄せて真っ直ぐこっちを見ていた。

目が合ったかと思って慌てて運転席に戻ったが、すぐに勘違いだと気付く。

外は照明やネオンで明るく車内は暗い。

彼から見て車のガラスは鏡のように外の景色を映しているはずなんだ。

心に余裕を取り戻ししっかり彼を観察してみた。

やっぱり彼は『彼』だ。

そしてあの目は…

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