君に捧ぐ…☆


「バイバイっ」

慶太先輩と夏希と別れて稜と2人になる。

いつもは稜が最初にバイバイだったけど

今は送ってくれるから違う。

私達は夏希や慶太先輩みたいにあまり話す方じゃなかったから無口なことも多かった。


「寒いね…」

最初に口を開いたのは私だった。

こんな会話からいつも始まる。

「だな…」

静かに稜は答えた。


ヒュー


「さむっ」

風が吹いて声が出た。

「ほらよっ」

バサッ

そう言って稜は自分の来ていたコートを私に掛けてくれた。

「稜が風邪引いちゃうよっ」

薄着になった稜を見て私は言う。

心配している私に稜は笑って答えた。

「俺は大丈夫だからっ な?」

「うん…ありがと…暖かい…」

私達2人は手をつなぎ帰った。


幸せな時だな…そう感じる…

大好きだから…


私達が出会ったのは運命かな?

それとも偶然?

運命だよね…

きっと…

だってもしあの入学式の時迷わなかったら…

夏希がイケメン好きじゃなかったら…

慶太先輩と稜が友達じゃなかったら…

いろんな偶然が重なって運命になるのかな?

そうだよね…

稜…
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