君に捧ぐ…☆
「ここ…日本?」
「やべ…」
静かだが私達は興奮していた。
初めて見た…
こんなとこ…
綺麗…
キャハハッ
私達が感動していると小さな子供の声が聞こえた。
声のする方を見ると教会の隣の家から2人の小さな女の子と1人のおばあさんが教会へ入っていった。
「俺らもいくか?」
「うん…」
私達は教会へ向かう。
中へ入ると
1人の男性が真ん中でパイプオルガンを引いていた。
そして長椅子が並んでて壁には綺麗なステンドグラス。
「わあ…」
私達は前から4番目の長椅子に座った。
小さな女の子2人とおばあさんは一番前に座っていた。
「こんなとこがあるなんて…」
「びっくりしたな…」
「すごい綺麗…」
「だな…」
教会にはパイプオルガンの音色だけが響く。
前に座っている小さな女の子の1人がチラチラと後ろを向き私達を見る。
「かわいいっ…」
私はクスッと笑った。
不思議に思ったのかおばあさんも振り向き私達を見た。
おばあさんは優しさ笑顔でニコっと微笑んだ。
「優しそうだね…」
「おぅ…温かい感じだな…」
私は生まれた時からお婆ちゃんと言う存在が居なかったからお婆ちゃんと言うものが分からない。
小さな女の子を見て羨ましくなる。
「稜…お婆ちゃんってどんな感じ?」
思いきって私は聞く。
「急にどうしたんだ?お婆ちゃん? うーん… 優しくて温かくてほのぼのしてるな…」
稜は優しく言う。
「そっかあ…いいね…私お婆ちゃん居ないから…」
稜は私の言葉を聞くとぎゅっと抱きしめてくれた。
「真帆…真帆にはお婆ちゃん居るよ…ただ会えないだけ…居ないわけじゃないんだ」
稜の言葉が胸にしみる。
稜は時々こういう優しい言葉をくれる。
「うん…稜…ありがとう…大好き…」
「俺も…」
そう言って私達は口づけをかわした。
私達は寄り添いながらパイプオルガンの音色を聞いた。
あたりは寒かったけど2人寄り添うと温かい。
私達は体温を感じ合った。
温もりを…
愛を…