君に捧ぐ…☆

「あれ?」

気がつくとそこは見慣れた風景

「家?」

私はいつのまにか家についていた。

「落ちついた?」

「夏希…ありがとう」

思い出した…あの時凌はあの女の子と笑いながら帰っていた。2人きりで…
そして泣きじゃくってた私を夏希が家まで送ってくれたんだ…


「真帆…大丈夫? ずっと泣いてたから…」

「ごめんね…」

こんなに泣いたのはお母さんが亡くなった以来だった。

鏡を見ると目が腫れていた。

「夏希…苦しいよ…」

「真帆…」

「凌を好きだとすごい苦しいよ…」

「真帆」

夏希は肩をささえてくれた。

「私も凌先輩がわからないな…真帆がいるのに…」
「なんでなんだろ…」

「真帆が言ってた先輩の女の子ってあの人だよね?」

「うん…」

「聞いてみるのはできない?」

「聞いてみる?」

「そう 凌先輩に全部聞くの あの女の子の事…」

「できないよ…怖い」

「怖い?」

「聞いたら 別れ話になるかもしれない…」


「そっかあ…そうだよね」



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