愛してるの言葉だけで。


お父さん下を向いて目を瞑っていた。

お母さんはため息を漏らしてした。


しかも、なんでか知らないけど、なかなか話し出さなかった。


なんなの…



「…話ってなに?」



私は、なかなか話を持ち出さないお父さん達に嫌気がさして言った。


お父さんは決心したようで重かった口をやっと開いた。



「幸信くんの死因は交通事故なんだ」


「交通事故……」



そして、なぜかしばらく沈黙が流れた。


そんなに言いにくいことなの?



「……今から言うことをしっかり受け止めて欲しいんだ」


「うん」



そして、お父さんは深呼吸をした。



「実はな…────」
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