愛してるの言葉だけで。


「この時の私達って6歳だっけ?…で幸信くんが16歳だったような…」



私の中で話が全て繋がった。


私は全力で走っていた。



こんなの、知りたくなかった…


だけど、事実なんだ。


私の中の忘れられていた記憶が全て蘇ったんだから──


私は泣きながら、ひたすら走った。

走って走って走って…


そして、立ち止まったところは幸信と初めて"会った"ところだった。


幸信と初めて会った時は桜の花が満開だったのに…


今は全ての花びらが散っていた。


切ないほどに花びらがなかった。
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