愛してるの言葉だけで。


「…ふぇ…ゆ……きの…ぶ…」



ごめんね…



『実はな…幸信くんはお前をかばって交通事故にあったんだ…』



ごめんね…

幸信は私のせいで死んじゃったんだね…


そんな、自分を殺した人から好きって言われても嫌だよね。


私のこと嫌いって、今ならわかるよ。


本当にごめんなさい。


許されないよね…



『夏希は、そのショックで幸信くんに関する記憶が消えてしまったの…』



しかも、幸信のこと忘れてたんだね…

絶対、忘れちゃいけないことなのに。


あの時、すれ違ったおばさんは幸信のお母さんだったんだ。


私はどれだけ馬鹿なんだろう…


それなのに、幸信は私の傍にいてくれたんだね……


ごめんね…

…ありがとう。
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