愛してるの言葉だけで。
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10年前……
「ゆう兄、遊ぼ!!」
「うわ!ま~た夏希かよ」
あの頃の夏希は、幸信のことを"ゆう兄"と呼んでいた。
ゆう兄は、かっこよくて優しくてよく夏希と遊んでくれていた優しいお兄ちゃん。
夏希はゆう兄が大好きだった。
「夏希が、ゆう兄のお嫁さんになってあげる!」
「あはは!夏希が?じゃあ夏希が大人になるのを楽しみに待ってるよ」
「うん!」
大好きなゆう兄…
これを初恋と読んでいいものかわからないけれど、夏希はそれほどにゆう兄が大好きだった。