愛してるの言葉だけで。
「お前達!!よーく見とき!こんなに幼い女の子が大好きなお兄ちゃんのために泣いとるんぞ!
このお嬢ちゃんは信じとるんだよ。お兄ちゃんが目覚めるのを。
それなのに、"可哀想に"だとか他人事みたいに言いやがって!
恥ずかしいとは思わんとや!?
他人事みたいに見とるだけで、いいと思っとるんか?!」
おばさんは、そこら辺にいる野次馬にそう強く言い放った。
夏希はおばさんの胸の中で泣きながら、ゆう兄が生きていることを信じていた。
「救急車はまだか!!」
「少年の血を止めろ!」
「タオルを近くの家から借りて来る!」
おばさんの言葉に胸を打たれた野次馬達が動き出した。