愛してるの言葉だけで。
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それから10年も経ってたんだ…
私は、それをずっと忘れたまま今まで生きていたんだ。
私が幸信の命を奪ったのに。
ごめんね…
何度謝っても謝りきれないよ。
「幸信、ごめんね…もう帰って来てなんて図々しいこと言わないから」
──え?もう言わないの?
「幸信!?」
私は周りを見渡したが、幸信の姿は見えなかった。
頭に響くような幸信の声。
──夏希のせいで死んだんじゃないし俺。…言ったろ?俺は、死んだこと後悔してないって。
幸信は私をかばって死んだこと、後悔してないの?