愛してるの言葉だけで。
普通に二人傍にいるって凄く幸せなことだったんだね。
こうやって二人並んで歩くことも、
つまらないことを言い合いするのも、
とても幸せなことだったんだね。
「ただいまー」
「夏希!!」
ドタバタと、ものすごい足音が聞こえて来たかと思ったら、お母さんが凄い勢いで走って来た。
そして、私を強く抱き締めた。
「いきなり飛び出して行くから、心配したじゃない!」
あ……そうだった。
信じられない事実から逃げたくて私、家を飛び出したんだった。
すっかり忘れてた。
「ごめんなさい…」
「無事で良かった…」
お母さん……
心配かけてごめんなさい。