愛してるの言葉だけで。


「おはよ……」


「お父さん!見て見て、私が作ったんだよ~卵焼き!!」



私は、眠たそうなお父さんと対照的にハイテンションで上手くできた卵焼きを見せびらかした。


お父さんは優しく笑うと「上手くできてるじゃないか…」と言ってくれた。



「夏希はいいお嫁さんになれるわよ~」


「嫁にはやらんぞ?」


「あはははっ」



中学に入った頃から『家はつまらない』と勝手に決めつけていた。


全然そんなことないのに。


家庭に会話があって、

家庭に笑い声があって、

家庭に愛があって…


十分幸せで楽しいところなのに、私は家を毛嫌いしてた。


知らなかった。

家族の絆は一生続くんだね。
< 137 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop