愛してるの言葉だけで。



「さ、どうぞ中に入ってください」



優しい顔で笑う幸信のお母さんの笑顔と、幸信の笑顔がかぶって見える。


幸信の顔はきっとお父さん似で、笑った時の顔や優しさはお母さん譲りだ。



「お邪魔します」



私は家の中に入った。

とても綺麗で落ち着いた雰囲気。


私達はリビングに案内された。


そのリビングと繋がっている畳の部屋に幸信の仏壇があった。


こうやって幸信の仏壇を目の当たりにすると、やっぱり幸信は亡くなってるんだなと実感する。



「じゃあ先に父さん達がお線香上げてくるから…」



そう言ってお父さんとお母さんが畳の部屋に移動して行った。
< 140 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop