愛してるの言葉だけで。
「ほら、夏希ちゃん!突っ立ってないで座りなさい?」
「あ、はい…」
おばさんが指差したソファーに私は腰をかけた。
こうゆう時って何を話せばいいんだろう…
「それにしても、大きくなったわね夏希ちゃん。美人になっちゃって…」
「いえっ、そんな…」
私は顔の前で手を振って全力で否定した。
おばさん、私に気を使ってこんなに話してくれてるんだ…
「あの時の幸信と同じ歳なんでしょ?」
「はい」
そう。幸信の時間は止まったままだから私は幸信の歳に追いついていた。
本当だったら幸信は26歳のはず。
「あの、すいませんでした。私をかばってゆう兄は……なのに、その事実も忘れてて…」
「夏希ちゃんのせいじゃないわ!」
私は静かに頭を横に振った。