愛してるの言葉だけで。
──ガチャ…
リビングの扉が開いた音がした。
私は咄嗟にリビングの扉に目を向けた。
私はそこに立っているおばあちゃんとおじさん数名に頭を下げた。
「お嬢ちゃん…あの時のお嬢ちゃんかい?」
「え?」
扉から私を驚きの顔で見ているのは私の知らないおばあちゃん。
そのおばあちゃんの言葉でおじさん達は騒ぎだした。
「記憶をなくしたと聞いておったが…」
「思い出してくれたんです」
「そうかそうか。またお嬢ちゃんに会えて良かった…大きくなったなぁ…」
このおばあちゃん、あの時私に声をかけてくれたおばさん?
あぁ、きっとそうだ。
「俺達、君に感謝してるんだよ…な!」