愛してるの言葉だけで。


「なにがごめんで、なにがありがとうなんだよ……」


「ゆきっ……」


「しっ!!」



私は思わず叫びそうになったところを、間一髪のところで幸信が阻止した。


私はひとまず状況を整理した。


でも、なんで幸信がここに?

幸信は行かないって…



「主役の俺がいなくてどうすんだよ!」



そっか…

そうだよね。



「てかお前さ、泣きすぎ」


「だってぇ……」



私は、みんなに聞こえないような小さな声で言った。


だって、みんなありがとうばっかなんだもん……

みんなありがとうばっかり言うから……



「夏希、ありがとな……」



ほら……

幸信もありがとうって。


また、泣いちゃうじゃんかぁ…
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