愛してるの言葉だけで。


蝉がミンミン鳴いている中、私は幸信といつものように登校した。



「おはよう夏希。テスト勉強した?」



……え?

千尋ちゃん、今なんて言った?


周りを見渡す私。

机に向かって何かを書いてるみんな。


…みんな勉強してる。


今日、何日だっけ…?



「テストとか無理ですー…」



私の前の席に座っている未央ちゃんの心の叫びが聞こえてきた。


もしかして…

もしかしたら…

もしかすると…

いや、もしかしなくても…



「……今日、テスト?」


「え、そうだけど」



恐る恐る聞いた私に対して、あっさりと答えた千尋ちゃん。


うそ…

うわー、全然勉強してない。
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