愛してるの言葉だけで。


──カランッカランッ…


ドアについた鈴の音が鳴るたびに私と花菜はドアに視線を送る。


そして、ため息をつく。


本当にどうしたんだろ…


私は小さな期待を胸に携帯を見た。


しかし、

【新着メールはありません】



「どう?返信あった?」



私は静かに頭を横に振った。


そして、私と花菜は肩を落とした。


──カランッカランッ…


私と花菜はもうほとんど諦めていて、ドアの方を見なかった。


そして、近づいて来た黒い影…


その影に気づいた私と花菜は顔を上げた。



「「麻子!?」」



私の横にドカッと座った麻子。

その麻子はなんだか機嫌が悪かった。


どうしたの?



「ちょっと麻子、電話ぐらい出なさいよね」



花菜はいつもと変わらない表情で言った。



「………うざ」



え…────
< 162 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop