愛してるの言葉だけで。


その人は私に、


「言いたいことあんなら自分で言えよ」


と言った。そして、クラス表をしばらく見つめるとすぐにどこかへ行ってしまった。



きっと、自分のクラスなんだろうけど……



名前、何て言うんだろう?

クラスは何組かな?


お礼、言えなかったな…



───夏希、惚れんなよ。


「…うん、大丈夫。惚れてない」



胸はドキドキしてないし、

ボーッともしてない。



惚れんた時の症状ぐらい知ってる。

私だって恋ぐらい…



そうムキになりながらクラス表を見て、1組のところで【坂井夏希】を見つけた。



私は1組に向かって歩みだした。



そして私は、クラスに行くとすぐに自分の席に座る。



実は……、

極度の人見知りなんだ。



しかし、麻子は中学の時にいつも一人でいた私に話しかけてくれた唯一の人。


花菜は幼稚園から一緒だからいつ仲良くなったか覚えていない。


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