愛してるの言葉だけで。


その瞬間、私の線香花火の火が消えた。


幸信の姿は見えないけど、多分私の近くにいてくれてる気がする。


私達に気を使って姿を隠してる。



「「え゛っ…」」



麻子と花菜のなんとも言えぬ声が公園に響いた。


え……?

私、変なこと言った?



──お前アホか。



え?



「なんでそれを早く言わないの!」


「紹介してよ!」



いや…
紹介してと言われても。


困り果てていると幸信が姿を見せた。



「初めまして、夏希の彼氏の幸信です」



え?

確か、私にしか姿は見えないはずじゃ…



「ねぇ、今、声が聞こえなかった?」


「うん、聞こえた。初めましてって…」



幸信の声が……


……聞こえてる!?
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