愛してるの言葉だけで。
でもそれはすぐに元に戻り、前と同じように見えるようになった。
良かった、戻った。
「ほら、何でもねぇよ…さっさと寝ろ」
「そんな、何でもなくないでしょ!?」
幸信との別れがすぐそこまで迫っているのは明白だった。
そんな……
嫌だよ。
幸信がいなくなるなんて…
絶対嫌。
じわじわと迫ってくる“時”に私はいつになく怯えていた。
込み上げてくる涙を、歯を噛みしめて我慢していた。
「ねぇ、ゆ…」
「泣かないって約束したよな」
うんとうなずいた。
名前、呼ばせてもらえなかった。
《永遠の別れが来ても泣かない》
だけど、その約束は果たせないに等しい。
無理だよ。
愛しいあなたと離ればなれになるのに、泣かないでいられるわけない。
そんなに私は強くない。