愛してるの言葉だけで。
幸信とデートすることは、ずっと私の憧れだったんだ。
「夏希、愛してる…」
「私も…!幸信、愛してるよ」
そう言うと幸信は優しく笑ってくれた。
そして〝ぎゅう〟と抱きしめてくれた。
私はそれに答えるように、幸信の背中に手を回した。
これからも、こうしていたい…
「夏希…ありがとう。夏希、いいか?夏希には未来があるって言ったよな?だから、俺を忘れて次の恋をして…」
「嫌だよ!私はずっと幸信だけを…」
「ダメだ。夏希には幸せな結婚をしてほしいんだ。子供も作って幸せな家庭を築いてほしい」
幸せな……家庭?
幸信?
なんでそんな真剣な顔をして私に他の人を好きになれなんて言うの?