愛してるの言葉だけで。


でも、一学期も今日で終わり。

それに、お母さん達に心配かけてしまう…


今日は行かないと…


時間のことなんか忘れて制服を着るとカバンを持って家を出た。


なんとなく力がどこにも入らない。


いつも幸信と二人で歩いていた道を今、私は独りで歩いている。


蝉の鳴き声さえ、
私の耳には入らない。


ただただ歩く。


その足が速歩きになり、
駆け足になり、
全力疾走になった。


無我夢中で走った。



ねぇ、全力で走れば

泣いてることも

幸信を想っていることも



忘れられるかな…
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