愛してるの言葉だけで。


「前、お前にこうやって励まされた時……俺、強くなれた気がしたんだ…

辛いんだろ?前の俺と同じ目をしてる。泣きたいなら泣けよ。俺が手、握っててやるから…」



新井くんのその言葉をきっかけに、壊れたように溢れ出した私の悲しみの結晶達。


ねぇ…

どうしてこんなに安らぐんだろ。


泣くことは辛いことだと思ってたんだ。


だけど、違ったみたい。


こんなに温かくて、気持ち良いことだったんだね……


幸信。

私が新たな恋をすることをあなたが望むなら、私は前に進む。


私には未来があるから…


だけど、今だけはあなたを想いながら泣くことを許してください。


そしたら私は、


どんなことがあっても

どんなに明日が真っ暗でも


あなたが最後に言った

〝愛してる〟

の言葉だけで強く、生きて行ける。
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